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アカシア開花までの緊張感

5月の佐久・藤の花が満開(どこかにミツバチがいます)

藤の花が咲くと、次はアカシアです。
藤の花もアカシアと同じで上から下に垂れて咲くタイプで、どちらも花蜜がたくさん出ますので、ミツバチに好まれています。
この時期には繁忙期直前の緊張感があり、そわそわしたり、運転しながら山を見て白っぽい部分を探したり、天気予報を恨んだり、
神頼みをしたりと、とにかく落ち着きません。

雨の恵を受け開花を待つアカシアの花

天候やミツバチの調子が思い通りにいかず苦しい時も多い時期です。
自然のことだから、身を委ねるしかないとわかっていても「人事尽くして天命を待つ」という境地にはまだまだ至りません。
未熟な自分を受け入れ、ミツバチと向き合うことを積み重ねることで少しでも安心を得るしか今のところありません。
ただそれは自分の生き方を考える上で本当に良い訓練だと考えていて、例えば周りの人間と比べて一喜一憂することよりも、
自然と向き合うことの方が複雑で、もっと成長ができるように感じます。ありがたい悩みでもありますね。

舞い落ちたアカシアの花の裏側と花の付け根

大雨が降って花が落ちないか、川の水量が多くないか、深夜に気温が下がり花芽が死なないか、蜜を出せる気温になっているのか、
強風にあおられて枝が折れ花が落ちないか、工事などにより伐採されないか、そして肝心のミツバチの準備はできているのか、
たくさんの幸運に恵まれた今年のアカシアが見事に咲き誇ったときの気持ちは言葉になりません。

2022年 千曲川沿いで見事に咲くアカシアの花(背景にもご注目ください)

神々しいアカシアが無事に満開となると、華やかで強い香りに現場が包まれて、ミツバチの努力が報われ、今までのすべてに感謝ができます。
しばらくして巣箱が一気に重くなると、さらに感謝の気持ちが溢れます。

信じられないほど多くの花をつけるアカシアの木々

自然というものは人間の想定を超えてきます。
うまくいかない時を想定し対策しておくことで安心するということではキリがないので、
むしろすべてうまくいくと強く信じ、すべてを受け入れながら臨機応変に対応するということが養蜂では大事だと思い始めてます。

出たばかりの女王蜂の巣房。かなり大きいです。