6月の終わりは何かの始まり
6月も明日で終わりですね。今年は梅雨らしい天気もあまりなく、かといって暑い訳でもなく、なんともハッキリしない天気の日が多いように思います。アカシヤの集蜜期をすぎたこの時期、養蜂家はミツバチの管理や増減に気を配り、日々判断を迫られます。巣を覗きながら、ハチミツがどのくらい溜まっているのか、女王蜂は元気に産卵してくれているのか、ミツバチの数はどうか、などを見極め、ミツバチの群(家族)を強くしていく必要があるからです。
「内検」という作業の様子。群ごとに性格も大きさも違います。
ミツバチと仕事をしていると、選択肢それぞれに正義があることがよくあります。例えば、群を強くしていくためにミツバチには十分なスペース(巣)が必要ですが、巣が広ければ広いほどミツバチが巣を温めることに負担がかかってしまいます。どちらを優先するかは時期や群の様子によって決まります。後で足りなくなるだろうと、良かれと思って前もってスペースを与えても、蜂の数が追いついていない限り余計なお世話となり負担が増えるだけなのです。人間と同じで、必要としているタイミングで必要なものが与えられないと使いこなせないのです。子育てと少し似てますね。親が良かれと思い子供の先々のことを準備しても、子供には迷惑なことがあります。
大きな栗の木の下に畑
今はちょうど栗の花が満開です。栗のハチミツをできる限り採るべきなのか、それとも秋に向けてミツバチに残すべきなのか、人間の欲・養蜂家としての経験値・そしてミツバチや花に対する感謝と愛情を結集して1つ1つの判断をします。 難しくも面白い部分です。そしてその判断の連続が、次の季節を作ります。悩ましい分、正しい判断をしてミツバチが強くなってくれた時の嬉しさは代えがたいものがあります。今やっていることが、秋や冬、来年、再来年にもダイレクトに繋がります。自然界の循環を体で理解することは簡単ではありませんが、養蜂にはそのヒントがたくさんあると思います。
森で見つけたおいしいグミの実(先日クワの実も食べました)